2008年07月19日

ユニークリー・シンガポール−「タクシーにも燃油サーチャージ」

シンガポールのタクシー業最大手「http://www.comfortdelgro.com.sg/"> ComfortDelGro 」社が一昨日、7月17日木曜日から一斉に「燃油サーチャージ」の課金を開始した。金額は一回の乗車当たり一律30セント(=23円)。この金額すべてがタクシードライバーの収入になるという。そして競合3社が今週来週の内にこの動きに追随する。

シンガポールのタクシー業界は昨年12月大幅に料金を値上げしており、一般的な値上げの例としては、それまでの初乗りが2.5ドルから2.8ドルに(=195円→218円、1kmまで)、距離に拠る加算料金は10セントごとから20セントごとになっていた。

この燃油サーチャージ、既に航空会社では既におなじみになっているが、タクシーの燃油サーチャージとは私の耳には新しい。そこでウェブを調べてみたところ、アメリカや中国でこのサーチャージを課し始めている動きがあるようだ(シカゴ、フィラデルフィア、ワシントンDC、マイアミ、青島など)。

http://www.btnonline.com/businesstravelnews/headlines/frontpage_display.jsp?vnu_content_id=1003821910
http://news.livedoor.com/article/detail/3376433/

「燃油サーチャージ」は通常料金を値上げして利用者の反発を得ることを避け、理解を得やすい様に別建てで課すことを目的にしている。理解を得やすい代りに市況が変われば即廃止しなければならない料金である。

一方「燃油サーチャージ」の存在をうまく隠ぎみにしつつ、あとになって初めてその「燃油サーチャージ」の存在が明らかにする場合もある。この場合の「燃油サーチャージ」の目的というか効果は、「うまいこと相手の財布から多めにすり抜く」ということだ。

前者と後者では結果は同じでも態度が全く違う。願わくばタクシー会社はタクシースタンドに料金体型を明示したり、航空界社は面倒なウェブでのチケット購入手続きの早い段階で「燃油サーチャージ」の金額を明示したりと事前の目地を心がけてほしい。

それから政府にも出来ることがあるのではないかと思う。

シンガポールは小国ながら周囲の国に翻弄されずにうまく成功している国で、一党独裁に対する国民の不満は多少なりともあるものの、これまでの政府の実績と勤勉さ故に豊かで安全な生活を享受出来ていると国民が信じている国。だからあらゆる政策はリスクを残しながらも良いと判断されればすぐに実行される。

ComfortDelGro社は政府と密接なタクシー会社。少し前の統計で、シンガポールの全24,000台のタクシー台数のうち約60%の15,000台を占める。だからタクシー業界の値上げについても国民はおとなしい。

日本ではそのようにいかないと思われるが、国交省はこの国を多いに参考にできるのではないだろうか。

日本のタクシー業界では値上げされても会社に還元され、運転手にはあまり還元されていないという現状を聞くが、タクシー業界においても、また一般貨物運送業においても、この「燃油サーチャージ」は有効かもしれない。  
Posted by 岩田 弘志 Hiroshi Iwata at 14:20Comments(5)General