2009年07月07日

シンガポール版経団連CEO・Tengさんの講演を聞いて

本日、某新聞社の方よりお誘い頂いて、
インターナショナルVIPクラブ第一回公開セミナーへ参加してきました。

講師はシンガポールにおいていわゆる日本の経団連にあたる、
「Singapore Business Federation」という会のCEOを勤める、
テン・テンダーさんでした。この方はオマーン国向けのシンガポール大使も勤めておられます。

彼は日本語が堪能で、花王に13年、インドネシアのコングロマリットに4年、
ベトナム企業に2年弱、メルボルンの食品会社に4年勤務してきた経歴がありながらも、順風満帆ではなく、
途中失業を2回も経験してきた苦労人の側面も持っていました。
しかし都度逆境をチャンスと考える機転と努力で乗り越えて来たことが彼の人間力を培い、
また運をも引き寄せてきたことを知りました。

講演の中で気になったのは意外にも彼は未だに「花王」という会社に未練があるということ。
辞めた理由は当時の日本の制度上、外国人が厚生年金を支払い続けても、最終的には捨てるしかない
現状があったこと。会社は彼に日本国籍を取得することを薦めたが、
会社における自らの存在価値を考え、それを選ばなかったとのことでした。
そしてそれによって「年を重ねて行くなかでいつまでも外国人として会社にいることで
増大していく老齢リスクを抱えていられない」ということが決定し、
会社を辞めたとのことでした。
現在の日本の制度がどうなっているのか、
優秀な人材を日本にとどめておける体制が整っているのかどうか、
気になるところでした。

それから、物事を性急に進めようとするシンガポール人の性分を「キアス」と現地人が呼んだりするのですが、それについて
「過ちを隠したり、人のせいにしたりする傾向があり、それを顧みることがない、
これがキアスにつながる」とおっしゃり、キアスに対する多面的視点を与えてくれたばかりか、
シンガポール人からもその様に映ることがあるのかということが関心事でした。

また、最近私は、会議や面会の効能として
「顔を合わせることによる様々な案件や思い違いのリセット」の価値に気がついていたのですが、
そのことを改めて彼が講演内で言われていたことで、よりこの価値について飲み込むことができました。

彼はこのことを「決算」という言葉を用いて説明し、
日本人は問題があると上司などがすぐに「焼き鳥」などに誘って「決算」する、といい。
オーストラリア人は毎週金曜日の夕方以降それをバーなどで行うといいます。

「決算」はとてもいいのだが、日本人はちょっとその回数が大過ぎかな、とおっしゃいつつも、
シンガポール人については、毎日5時になれば誰もが一斉に帰ってしまい、
「決算」をすることがない。お互いのストレスは溜まるばかりで、限界を超えると爆発するのみ、と。
そして、シンガポール人はオーストラリア人のことを遊んでばかりいると思いがちだが、
そうではなく。月曜日から金曜日の午後3時まではよく働く。
金曜日のその後の時間をつかってみんなで「決算」するのだと。

面白い考えだと思った。  

Posted by 岩田 弘志 Hiroshi Iwata at 22:42Comments(1)その他