2005年08月30日

募金ビジネス

 数ヶ月前まで、週末の駅前や繁華街の通りでは、「無料腎臓検診」と唱ったサービスの為、医療施設を備えた大型バスが駐車し、その回りではスタッフ達が道行く人たちに声を掛けている。

 「あなたの腎臓の状況を無料で検査しましょう」
 数ヶ月前まで、週末の駅前や繁華街の通りでは、「無料腎臓検診」と唱ったサービスの為、医療施設を備えた大型バスが駐車し、その回りではスタッフ達が道行く人たちに声を掛けている。

 「あなたの腎臓の状況を無料で検査しましょう」

 そうボランティア風の無垢な人たちに声を掛けられて いやな思いをする人は少ない。普段忙しいので良い機会だと招じられるままにバスに乗り込んで血液検査などを受ける。
 
 結果は待たせることなくバスの中にいる間に出る。
 その内容はとても適切なものだ。

 そしてその後に募金のご案内がある。
 すでに無料でサービスを受けているという負い目があるので 街ゆく人の立場は弱い。それに幾ばくかの感謝の気持ちがある。
 それで気がゆるみ、普段は堅い財布のひもも緩む訳だ。

 財布ではなくて銀行口座のひもが緩んで
「月々S$10で行きましょう」
 という具合になる。

....

この手法を使っている団体、National Kidney Foundation(通称NKF)という。
http://www.nkfs.org/

この会社、当地のマスメディアSingapore Press Holding に放漫経営がリークされた。

◎ 会長の年収数千万円◎会長の車の維持費は会社持ち◎ファーストクラスで出張旅行◎会長の事務所の水道は金メッキ◎あと3年しかもたないといわれた募金による基金、実は30年分は余裕があった◎透析を受けている人の数は公表されているよりも実際は大変少なかった、等々。

 リークされた直後、シンガポールのマスメディアはNKF一色になった。

 最初にボードメンバーは会長辞職を求める世論に対して会長を養護。
 元首相の奥方が
「基金の大きさから比較して会長の収入はとるに足りない、問題ない」
 と大衆の心理を顧みない姿勢を露呈して失言。

 そして更にNKFへの風当たりた強くなり、最終的には会長を含むNKFのボードメンバー全員が辞職に追い込まれた。

 そうして募金ビジネスの一つが崩壊した。

 今街ゆく人がコインを募金する姿を見かけなくなった。
 募金箱を首から提げたボランティアには元気がない。
 募金はビジネスなのではないかと 市民は疑念を持つようになった。

http://en.wikipedia.org/wiki/National_Kidney_Foundation_Singapore
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機内誌(2009-04-08 04:49)

Posted by 岩田 弘志 Hiroshi Iwata at 12:03│Comments(4)Machikado Business
この記事へのコメント

ご苦労様です!!
いつも見に来てますよ。
それにしても、このNKF問題、日本人にとってはそれほどインパクトは無かったのかもしれないけど、ローカル連中にはテロとかイラク戦争以上の話題性がありましたね。
上場会社の様に明確な管理・監視基準、そして罰則がないと、この国も脱税、汚職、止まるところがないのでしょう。大体献血の後にネエチャンが色気で募金を募ったり、派手なコンサートで募金したり、どっか本来の目的からずれちゃったんでしょうね。まあこの際徹底的に調査して実態を暴かないと、さすがのシンガポール国民も納得せんでしょう。
Posted by カイチョ at 2005年09月01日 11:13

カイチョさん、いつもご覧頂いてありがとうございます。
色気募金攻撃、知らなかった。。。
Posted by 岩田弘志 at 2005年09月16日 11:11

挑戦者の横顔でブログを書いています佐藤と申します。
『募金ビジネス』で検索したところ、こちらにたどり着きました。

日本でも募金詐欺があるようです。
私は、現在企業のCSR、NPO・NGO支援を行う事業を展開しようと
しています。

その中で、募金やNGO等を取り締まる機関はないものかと調べています。
しかし、世界的に見てもないようです。

国がやるべきことなのか。
慈善事業で詐欺がおこるというのはさびしいことだと思います。
Posted by 挑戦者Satoh at 2006年05月02日 18:43

募金ビジネス、これ私が皮肉って作ってみた造語です。明確な悪意が当初はなくても潤沢に資金が入ってきて段々とコスト感覚がおかしくなることって結構あると思うんですよ。
Posted by 岩田弘志 at 2006年07月20日 00:39
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