2006年02月19日

明るい北の国

先日時事通信社からの配信で、Yahoo!ニュースに「国民すべてにボーナス支給」という記事が出た。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060217-00000208-jij-int
これは、2月17日に行われた首相兼財務大臣のリーシェンロンのBudget2006というスピーチ内で発表されたものである。
先日時事通信社からの配信で、Yahoo!ニュースに「国民すべてにボーナス支給」という記事が出た。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060217-00000208-jij-int
これは、2月17日に行われた首相兼財務大臣のリーシェンロンのBudget2006というスピーチ内で発表されたものである。
予算を発表するこのBudget2006は専用ドメインのウェブサイトも公開されている。
http://www.budget2006.gov.sg/
時事の記事では選挙対策ではないかというコメントが据えられているが、これは間違いのないことでしょう。
公示から選挙日までの期間が非常に短く、圧倒的に与党に有利に働くシステムとなっているシンガポールの選挙制度においてこれまで十分な準備が出来てこなかった野党は今年に入って選挙準備に力を入れているという噂を聞いた。
さてこのボーナス支給の詳細は先ほど紹介したbudget2006のウェブサイト内で詳しく見ることが出来た。
http://www.budget2006.gov.sg/key_initiatives/sharing.html
政府が発表する昨年の経済成長6.9%を反映させた成長に対するボーナスはS$200からS$800。世界的に見て選挙制度を担保とする昨今の民主主義は納税額による選挙権の区別は勧化されない風潮がある。一方収入や財産の大きさは、生活の余裕や今後の人生の展望、そして自由への考え方に大きな差を生む傾向にあることは否めない。
経済的に裕福であれば今回のボーナス支給は ちょっとした小遣いに過ぎず、選挙に対する効果は薄いだろう。むしろこんなことでは騙されるか、という逆の効果を生むこともあるだろう。
一方選挙権の重さの同じ低所得者層は例え民主主義の尊さに気がついていたとしても目先のボーナスの及ぼす効果は大きい。手放しで喜び与党を礼賛する者もいれば、参政権は限られていてその点窮屈を覚えるが、生活の豊かさが維持出来るのであればそれも致し方ない、ボーナスは正直うれしい、という人たちは与党へ票を投じることになるのだろう。
非常に単純だが効果絶大な政策だ。
このボーナスを時事が言うように選挙とリンクして考えるととても滑稽に感じられる。
確かにボーナスは政府から配布され、経済成長を理由としているわけだが、建国以来 政府=同じ与党PAPである以上、選挙対策、与党からのボーナスと考えると立派な裏金だ。

実は私がこの国から情報を発信する以上、政府の隠然たるパワーを感じないで記事を書き続けることは出来ない。
経済的には一人当たりのGDPが3万ドルを超え、政府開発援助を必要としない立派な先進諸国の仲間入りを果たしたわけだが、その成長の為に犠牲にしてきたものは少なくない。民主主義という非効率な制度を基礎としてこの小国がわずか40年の間にここまでやってくることが出来たとはとても信じることが出来ない。一党独裁だからこそやって来ることが出来た、と言える。
公然と一党独裁と言っているわけではないから選挙をやって野党の息の根を止めないでいる。もしかすると野党自体も与党の茶番なのかもしれないと感じることがある。
国民に個人のプライバシーの意識は少なく、ID番号の開示などは利便性の前に何のためらいもない。
財産権は保護されず、資産家で反政府的な人たちは何人も何らかの罪で財産を剥奪されてきた。
そして新聞や電波やインターネットでは日頃から検閲は行われていて、報道の自由は大きく制限されている。
国境なき記者団の報道の自由ランキングを見て欲しい。
http://www.rsf.org/article.php3?id_article=11715
日本が42位、北朝鮮が167位なのに比べ、シンガポールは147位。シンガポールは日本よりも北朝鮮の方が隣国だ。
まさに明るい北の国だ。
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Posted by 岩田 弘志 Hiroshi Iwata at 22:28│Comments(0)General
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